■「超」整理手帳の「使い方」ではなく、仕事との関係を探るための話
(山本)これまで、オフ会などでは手帳の「使い方」ばかり話していたんです。でも、やっぱりこの手帳にとって一番大切なテーマは、手帳を使って仕事をどうするか、なんですよ。これからは手帳と仕事の関係に焦点を当てていくべきだなと。だから、いろんな人に仕事のやり方と「超」整理手帳の使い方に関する話を伺っています。濱永さんは「超」整理手帳が登場したときからお使いなんですよね。
(濱永)そうですね。2、3年目からもう10年近く。
(山本)ずっとこの手帳でしたか。
(濱永)途中いったん離れました。単純に、素敵なカバーを頂戴したので、それに寝返ったんですよね。それは中身が能率手帳だったんですが、僕にとってあれは非常に非能率だったんですがね(笑)。もちろん、あれが使いやすいって人がいることはよくわかります。
(山本)濱永さんはFM局にお勤めですが、どういう仕事をされているんですか。
(濱永)最近部署移動して営業を見るようになりましたが、それまでは番組の編成ですね。それから、いつ、誰を使ってこの人にこういう番組を作ってもらいましょうというプロデューサーという仕事。実際に作るのはディレクターです。
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| ご愛用のPBG4と一緒にとった写真を送って頂いた。出張中の仕事風景をイメージした写真。 |
(山本)収録現場に立ち会ったりはしますか。
(濱永)もちろんしますよ。
(山本)番組の進行管理ってどれくらい同時進行で進められているのですか。
(濱永)僕は個別の番組を持つわけではなく全体を見ていただけなんですが、うちのプロデューサーは1人で5つとか番組持ってますね。持っている人は10個くらい持っています。
(山本)編成っていうと、全体の流れを決めていく仕事ですよね。忙しいですか?
(濱永)心理的に忙しさを感じる一番の原因は、生放送の締め切りですね。これは絶対なんで、納期が一日延びましたっていうのは許されない世界というところですかね。
(山本)それは製作サイドから見たお話ですね。ということは、編成といっても単に番組内容を考えて、あとは現場でやってくれよって言うだけでなく、それができるまで責任を持つという。
(濱永)そうですね。できなければそこにもう一人つけるとか、考えていた企画の中身のこれとこれを外してとりあえずゴールに駆け込みましょうとか、途中で降ろす荷物を決めたりもします。
(山本)仕事の中で重要なウェイトを占めるのは、企画を立てたり編成の流れを決めたり、といった部分だけれども、仕事として大変なのは、実際の番組が期日通りきちんと完成するように落としどころを探りながら作っていくという点ですか。
(濱永)あとは、部署以外で関係する人がものすごく多いんです。ディレクターという実際に作ってくれる人たちや、社内でいうと営業という部署や、予算の面では総務だとか。営業の向こうでは広告代理店とお客さんからリクエストが上がるのでそれの交通整理。
(山本)大変な交通整理ですね。
(濱永)たとえば、いかにみんなにお弁当を用意するかが最大の仕事だったりね(笑)
(山本)だけど本当は番組の企画のほうが大事なんですよね。
(濱永)企画というとすでにできあがっているものだから、もっと曖昧なアイディアをいかに実現可能な企画に落とし込んであげるかという点でしょうね。
(山本)なるほど。プロジェクトを進行するその前のアイディアをどうプロジェクトに落とし込んでいくか、そこが大変なところなんですね。
■高速パズルのような日々のなかでの時間活用法
(山本)多くの人が、日々の雑務に追われていて肝心の重要な仕事ができないといいますが、濱永さんはそういうのってありますか?
(濱永)使えるネタと使える予算と使える人って決まっているわけで、いわゆる高速パズルというか、組み合わせをものすごく高速にシュミレーションして、どの組み合わせが一番いいかを日々考えているんです。目新しいものがたくさんあるんだったら、新しいものを見つける努力をしたりとか、そうでなければ、あるものの組み合わせを変えて新しく見えることを考えるわけですが、そういう時間って意外ととれないんですよ。
(山本)そうですよね、弁当の準備とかばっかりやってたら、次の新しいことになかなか頭が回らないっていうか、精神的に疲れちゃって、そういうクリエイティブな発想って出てこなくなりがちですよね。そういう時間を意識的に確保しようとしていますか?
(濱永)あんまりおおっぴらには言えないですけど、外出したときに帰ってくる時間を遅らせたりとか(笑)。電話も切ってそういう時間をむりやりつくることを意識的にしてますね。
(山本)やっぱり人と会わずに、一人で考える時間って必要ですか?
(濱永)会わないってことは事務所でも当然できるんですが、オフィスだと電話という悪魔の機械が突然割り込んでくるわけじゃないですか。
(山本)それとか、突然誰かが「ちょっといいかな?」ってね。
(濱永)そうそう。僕はそれも嫌なんで、メールを見る癖があるとわかっている人には電話ではなくて極力メールを送るようにしているんですよ。かかってくる電話は、一日に例えば百本としたら、かける電話は二十本くらいですよ。理想はかかってくる電話も二十本くらいになって、それがメールかなんかに化けてくれて、自分の時間ができればどれだけ仕事が効率的にできるかなって思うんです。
(山本)なるほど。いろんな連絡だとか交通整理とかが大事だとおっしゃったから、そういう連絡って無視できない部分ではあるんだけれども、しかしそれに埋没しちゃうと一番大切な仕事ができなくなるわけで、雑務をなるべく効率化するってことは大切ですね。
(濱永)WILLって雑誌を作っている花田さん(注:花田紀凱氏)っていう名物編集長が言っていたのですけど、自分がかけるときだけ携帯の電源を入れて、かけ終わったら切っちゃうんですよ。
(山本)すごいですね。あくまで能動的にしか使わない。人に使われないようにしているということですか。
(濱永)僕の商売は、放送事故を起こすとか、あまりあっちゃいけないですが要人がいきなり亡くなったり、どこかで株価が大暴落したときにニュースを入れたいんだけど許可を取るとかそういうのがあるので、原則的には切って逃げるわけにはいかないから、どうしてもつけちゃうんですよ。
(山本)それでは、濱永さん自身の仕事にとって、「超」整理手帳は役立ってますか?
(濱永)わからないですね。わからないっていうか、自分の本当に大切な仕事が見えなくなってしまうという意味での邪魔をする手帳っていうのは存在すると思います。ですが、「超」整理手帳についていえば、そういう意味での邪魔はしてないですよ。野口さんが言うところの、今日はスケジュールに一件もかからずに仕事ができたと言えるほど僕みたいなビジネスマンはいかないから、そこまで割り切って使えないと思うんです。
(山本)野口先生の場合も、この手帳を使っているからそれができているというよりは、そういう大原則があるから、さまざまな雑事を固めるなりして自分の時間を確保していると思うんですよね。やっぱりそういう原則や優先順位がないと、どんな手帳を使っても意味はないと思います。そういう意味では、「超」整理手帳を使うと仕事が効率的になる、じゃなくて、この手帳を使って仕事を効率的にした後、なにをするかがかかってきますよね。
(濱永)雑事を片付けるためのツールなのかもしれない。それと仕事が根本的にできるっていうのは本来全然別なことであって。
(山本)特に製作だと、締め切りだったり、ある種のゴールがあるわけだから、そこから逆算をしていくときにこの手帳にはメリットがあったりしますか。
(濱永)締め切りが遠い先であってもなんとなくそこまでのスケジュールが一覧できるのでその一覧性はいいですよね。
(山本)編成って、大体どれくらいのタイムスパンなんですか。最初の企画会議をやってから番組の制作まで。
(濱永)例えば番組は年に二回改編というのをやるんですがそのときは四ヶ月くらい。あと、僕らの業界はお正月やクリスマスの番組はまた来年同じことが起こるし、お正月の番組は翌年もお正月にやりますから、去年なにやったか、どういう段取りでどういうパートナーとこの時点で話していたかを見返すのに、去年の同じ時期のスケジュールを見られる。
(山本)オフ会でもおっしゃっていましたよね。一年前のスケジュールシートも持って時々見ると仕事のときに参考になると。そこにはやはり重要なことが書いてありますか?
(濱永)仕事の取り掛かり時期が遅れると後が苦しくなるんで、前年のタイミングを確認するのは大切です。あと重要ではないですが、意外とわからないのは、そのときだけ付き合ってて、また来年そのときだけ付き合う人の電話番号とか(笑)。これを探すのが大変なんですよ。
(山本)大体メールで探しますよね。なかなか出てこなかったり。結構一年前の連絡先を探すのって大変ですよね。
(濱永)だから、最初に会って仕事始めるときに、事細かにこの手帳に書いておくと一年後に役に立つんですよ
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