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ユーザインタビュー特集その2
濱永清隆さん(FM局勤務)
「『超』整理手帳をグループウェアとして使う方法」

その3

■みんなのスケジュールがスカスカなほどハッピー!

(山本)どれだけ雑事を片付けるかっていう話になってくると、濱永さんの場合は部署全体でやる仕事も多いですけど、うまくいっていますか?

(濱永)例えばなにかオファーが来て、これはちょっとみんなの知恵を借りたいときに、外に出てるメンバーに、僕なんか部下4、5人しかいませんがその5人に電話して、とりあえずこの時間仮に頂戴ねってアポイントメントとってると、全員のアポイント揃えるのに下手すると半日かかったりしますからね。

(山本)それは大変ですね。

(濱永)それは普通の会社の普通の上司だったら普通にあると思いますよ。

(山本)あまりに非生産的なことにものすごく時間がかかってしまうってことは現場では多いのかもしれないですね。

(濱永)それが重要であれば重要であるほど時間が決まらないことがすごくストレスなんですよ。

(山本)だからグループウェアっていうのが必要になってきて、ITのおかげでスケジュール共有が楽になってきたってのはあるでしょうね。ただまあ、少人数であればこの手帳で十分可能だし、もしかすると少人数だとこっちのほうが便利かもしれませんね。

(濱永)コストは明らかに安いですからね。

(山本)それはもう何百分の一どころじゃないですよね。すぐにでも始められるし。

(濱永)やっぱりグループウェアってメンテナンスが大変ですよ。

(山本)そういう管理コストは馬鹿にならないでしょうね。だから、連絡とか会議の設定とかですごく時間を費やしている上司の方は、この手帳をみんなで使って見るといいかもしれませんね。

(濱永)みんな持たなくてもこの短冊をみんなに書いてもらってやればいい。

(山本)黒板なんかにそういうの使っているところもありますよね。事務所に黒板があって、誰が何日に何時に予定があるかなど。あれは持ち出せないけど似たようなもんですよね。もっと手軽にできるっていう。

(濱永)心理的なハードルは、黒板に書くより低いと思います。

(山本)あと、部署全体の仕事をうまく流していけるかは、ツールだけじゃなくてその上司の手腕もありますよね。

(濱永)そうですね。

(山本)単にスケジュールシートを使ったから、あるいはグループウェアを使ったから部署全体がハッピーになるっていうことではなく、みんなをハッピーにするために何かしら全体を見て努力をしている。

(濱永)そうですよね。「書いてよこれ」って短冊を渡すと、書かされる側は書く量が少ないと心理的に怒られるんじゃないかと思って、必要のないアポイントメント入れたりとか。そうじゃないんだよっていうことを理解してもらわないといけない。僕は皆さんのスケジュールがスカスカなほどハッピーで、こっちでお願いしたいことがあるわけだからってことを理解してもらうまで相当時間がかかります。

(山本)仕事をしている=ものすごく予定が詰まっているって思っちゃってる人が多いですよね。

(濱永)始めはきっちりと細かいことを書いていたんですよ。で、そんなことは書かなくていいんで、にっちもさっちもいかないことと、ここまでに仕上げるからこの日は俺の邪魔するなっていうことを書いてもらうことに時間がかかった。

(山本)今の2番目のことって重要ですよね。なにかを準備するとか、なにかを作っているとか、スケジュールに現れてないけどすごく重要なことがあって。

(濱永)一日この日は予定を入れてくるなって日があってもいいわけですよ。

(山本)そういう発想って会社で仕事をする上で大切ですよね。

(濱永)女性の下着を作るトリンプさんなんて、午後2時から4時まで一切電話をとらないとか、そこまでストイックに経営者が判断できればいいけど、そんな失礼なことできるかっていうような社風であったり、考え方があったりするじゃないですか。うちの会社でも6時を過ぎると留守番電話が活躍して、その後は回線をとらなくていい環境にあったけど、ある時から電話とりましょうってことになって、途端に効率が落ちたりすることがある。

(山本)やっぱり優先順位が明確かどうかですよね。そういった雑事をいかにシャットアウトして、本来しなきゃいけない仕事に集中する時間を確保することはすごく重要。ともすれば電話だけじゃなくメールだとかなんだとかでどんどんきて。

(濱永)メールは、考えるのに疲れたときに開けます。

(山本)僕も最近は何分おきにメールを自動的に読むのやめました。以前は、自動巡回ってやってましたけど、あれやってると仕事が中断してしまうので電話と同じになってしまう。

(濱永)僕は全部のメールを携帯に転送してますね。誰から来たかってだけがわかるようにしてて、至急見ておかないといけないのだけ見て、後はほっておきます。で、まとめて処理します。

(山本)メールの処理ってまとめて時間を作ったほうがいいですね。

(濱永)僕は通勤時間が長いから行き帰りの通勤時間帯でかなり処理しますね。

(山本)携帯からメールを送ることって多いですか。

(濱永)携帯だと表現が舌ったらずで失礼になったりすることがあるので、なるべく避けますが、社内のメールとかはそれで処理します。

(山本)雑事は手帳ではなくTO-DOの方に書いて処理することが多いと思いますが、濱永さんはTO-DOは何を使ってますか。

(濱永)僕は付箋ですね。終わってから捨てるときが快感ですね。でも後で連絡した/しない、やった/やらないということがあるので、あの付箋は残しておかないといけないんじゃないかと強く思ったりします。

(山本)じゃあTO−DOノートの方がいいのかな。

(濱永)TO−DOを実行することよりも、TO−DOをいつ終えて誰に引き渡したのかを明確に残しておかないと意外とまずいんじゃないかと。

(山本)濱永さんのお仕事だと、特にそうですよね。

(濱永)どこで情報が止まってそれが反映できなかったのかが後で追えなくなっちゃう。

■仕事が充実した日こそ他人には理解されないトリック

(山本)スケジュールに表れないけど、重要な仕事をしている、っていう話に戻ると、日報なんかでもそうですけど、誰と会って何をしてということを重視してしまいがちですよね。

(濱永)一日ものすごく人と会って充実した日と、そうでなくてまったく人に会わなくて自分のための本来の仕事ができちゃった日って極端に分かれたときがあるけど、ついつい平均化して報告しちゃうじゃないですか。

(山本)両方取り混ぜて。

(濱永)そうそう。本当は非常に充実したときのはずなんだけど、2日くらいぽっかり空いて「企画立案」って一行しか書いてない日報が2日続くと上司が何してたんだって言うじゃないですか。

(山本)自分が上司になったときにそう言いたくなっちゃいますか?

(濱永)そういう人が多い。本来それは間違いで、その人も部下のときは間違いだとわかってて、生産性高かったなぁ、すごい頭使ったし、いい出力もしたけど、上司からみると1日なにやったんだって話になって。そういう考え方が刷り込まれているから、みんな報告書は埋めようとする。何も書くことがないってことは1日平和に過ぎたってことで、僕たち放送の世界でいうと放送事故やトラブル、企画変更など急激な嫌なこともなくて本当はハッピーなはずなんだけど、本当にそんなハッピーな日が続くと不安になりますよね。

(山本)やっぱり刷り込まれているんでしょうね。

(濱永)だから、ものすごく細かく書けるような手帳に不必要なことまで書き入れて、しかもそれでパンパンにしてしまって仕事をした気になるっていうのは悪循環ですよね。

(山本)本当に重要な仕事ってスケジュールには現れないことが多い。それって、いろんな分野の仕事が、いずれもドラッカーが言うようなナレッジワークというか、知識を扱うようになってきたということなんでしょうね。知識を生み出している時って、外から見ても何しているかわからないことが多いですよね。仕事の中にそういう局面って、やっぱり増えてきてるんじゃないかと思います。でも日報とかの社内評価の仕組みって、今までの古い考え方にとらわれていて、とにかく動いて何かをしているほうが仕事をしていると見られがち。わかっているのに自分が上司になったときにふとそう思ったりしましたか。

(濱永)大丈夫なんだろうなと思いますが一瞬心配にはなりますよね。

(山本)わかんないですよね、企画立案の内容なんて上司がコントロールできないから。

(濱永)それはうーんって考えて、ポトンって出力したときにあぁなるほどっていう。

(山本)その段階までわからないですよね。もちろん、ドラフトや途中経過みたいなものを、そのつど出してもらえると安心するんですけど。プログラムとかもそうですよね。完成してなくても今、この辺考えてるよとか。だから、上司への報告の仕方って、何をしたという行動記録ではなく、こんなこと考えてるとかアイディアの断片みたいなものを報告することに代えていく必要があるんでしょうね。

(終了)
収録日:05.9.29 @大名Lucent Cafe

濱永さんの理想とする生活。スケジュールの空っぽな「超」整理手帳を眺めながらくつろぐこと。。。

 

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